DAVID AXELROD/EARTH ROT デヴィッド・アクセルロットの「アース・ロット」

カリフォルニアの
もっと正確には
キャピトル・レコードの
作曲家&アレンジャーとして有名な
デヴィッド・アクセルロッド。
彼が1970年に発表した
サード・アルバム
アース・ロット」が再発された。
英MOJO誌のレビューで
5つ星だったので
買ってみたのだが
あまりよく分からない。
というより
どこがこのアルバムの
「キモ」なのかがよく分からない
好き嫌いはその後の話。

カルト集団の
勧誘ビデオのような
不協和音の混じった
荘厳なコーラスで始まり
徐々に演奏者が加わり
盛り上がっていく。
ドラッグ抜きの
ソング・サイクル?
哀愁の抜きの
キング・クリムゾン?
サービス精神の欠如した
デオダート?
曲名も
「警告パート1」とか
「前兆パート2」とか
まるでコルトレーンの
アルバム・タイトルみたい。
自分の音楽知識の中から
何かヒントになりそうなものを
探し出そうとしたが
まだ霧の中。

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DAVID AXELROD/EARTH ROT (CD)
NOW AGAIN/CAPITOL/UNIVERSAL:NA5167 (1970/2018 US)

細野晴臣 HOSONO HARUOMI/HOCHONO HOUSE

「ホソノハウス1973年」の
2019年版「ホチョノ・ハウス
その第一印象は
艶っぽくてリッチ。
思い起こせば
細野さんのアルバムは
テイチクレコードの
アンビエント時代を含めて
どれもそうだった。
清貧の美をたたえた
特別な音楽を除いて
細野さん
音楽を取り巻く
貧相な匂いのするものが
とことん嫌いなんだろうね。

アルバムの中身については
SNSや雑誌等でたくさん
発信されるだろうから
アルバム・ジャケットに
ついてちょっと。
一見ジャケット写真は
「ホソノハウス1973年」を
処理加工したものに
見えるけれど
「左目」と「左耳」は
2019年の細野さんのソレ。
つまり細野さん
たとえ歳をとり体は衰えても
世間をしっかり見据える
「目」と「耳」はまだまだ
衰えちゃいないぜって
宣言してるわけ。
じゃ
その見聞きしたものに対して
細野さんの思いを発する「口」は
どうなってるの?
ピエール滝の捕まった
今日話すのもなんだが
その「口」の咥えタバコ
これ実は「マリワナ」。
LP盤の大きな写真だと
ねじれた形状がよくわかる。
細野翁の笑いのセンス
いまだ衰えず!
関東圏と東北6県の
朝日新聞にのみ掲載された
一面広告の方は
さすがに「日本タバコ」を
持った写真が使われていたが
これとて
最近の嫌煙ブームに対する
細野さんの「他人(ひと)の
楽しみにいちいち口出すな」
という強烈な一発。

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細野晴臣/HOCHONO HOUSE (LP)
VICTOR : VIJL60196 (2019 JP)

THE CLAYPOOL LENNON DELIRIUM/SOUTH OF REALITY ザ・クレイプール・レノン・デリリイウムのセカンド・アルバム

ショーン・レノン&
レス・クレイプールの
プロジェクト第2弾
前作のポップ風味の
プログレ・サイケを
さらにグレイド・アップ。
ショーン・レノンの
生い立ちゆえの
サロン的雰囲気は残しつつ
ビートルズはもとより
ピンク・フロイドや
キング・クリムゾンなど
ヒストリー・オブ・サイケが
複雑に絡み合う匠の技。

日本盤のみに収められた
4曲のボーナストラックが
聞き物。
ピンク・フロイドの
「天の支配」
ザ・フーの「ボリスのくも野郎」
フラワー・トラベリン・バンドの
「さ・と・り」
そして
キング・クリムゾンの
「クリムゾン・キングの宮殿」。
「宮殿」は
ロック・ミュージシャンなら
冗談半分本気半分で
一度は演りたい曲なんだと思う。
プロの演歌歌手が
カラオケボックスに
こっそり出かけ
「津軽海峡冬景色」
歌うみたいなもの?

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THE CLAYPOOL LENNON DELIRIUM/SOUTH OF REALITY (CD)
SONY : SICX121 (2019 JP)

JAMES BLAKE/ASSUME FORM ジェイムス・ブレイクの最新作

「音を紡ぐ(つむぐ)」と
いう言い方あるが
ジェイムス・ブレイクほど
この言葉が似合う
ミュージシャンはいない。
分かりにくければ
ミス・ジョニ・ミッチェルの
アルバム「ヘジラ」を
思い浮かべてみて。
そういえば
ジョニ・ミッチェルは
例の病気で倒れる前
ジェイムス・ブレイクの
コンサートを見に行ってる。

2016年の前作
聞きこむほどに
「このアルバムはすごい」と
思わせるものだったが
今日発売のこの新作(4作目)
1曲目が流れた途端
全身ゾクゾク。
こぼれ落ちる1音1音
もったいなさ過ぎます
ジェイムスさんって感じ?

国内盤には
2曲のボーナストラックが
追加されているが
1曲はドン・マクリーンの
「ヴィンセント」
これはアルバム
「アメリカン・パイ」の
A面3曲目に入っていた曲で
この曲で世界中の
ドン・マクリーン・ファンは
涙したもの。

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JAMES BLAKE/ASSUME FORM (CD)
POLYDOR : UICP1192 (2019 JP)

LOU DOILLON/SOL ILO QUY ルー・ドワイヨンの3作目

ジェーン・バーキンと
映画監督ジャック・ドワイヨンの娘
ルー・ドワイヨン(36歳)。
フランスで大ヒットした(20万枚)
ファースト・アルバム
(2012年)は
フランス語で歌われたが
2作目(2015年)と
3作目にあたるこの新作
すべて英語で歌われている。
父親のジャック・ドワイヨンが
ニック・ドレイクや
レナード・コーエンの
ファンだったので
ルー・ドワイヨンは
幼い頃から
英米のロックやジャズに
親しんでいて
英語で歌うことに
抵抗はなかったという。
(もしかしてファースト・ネイムの
LOUはルー・リードから?)

ルー・ドワイヨンの魅力は
セカンド・アルバムの
歌詞の対訳を読んでも
明らかなように
とてもモダンな
シンガー&ソングライター
だってことに尽きる。
女性のシンガー&ソングライターは
そのほとんどが心象風景を
エッセー風につづるものだが
視点のシャープさって点で
ルー・ドワイヨンは飛びぬけている。
しかしそれ以上に聞き手を
とらえて離さないのは
この魅惑的な悪声だろう。
ルー・ドワイヨンのこの悪声は
ダメージ加工のジーンズや
ブス犬フレンチブルと同列の
21世紀だから通用する
美的センスに違いない。

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LOU DOILLON/SOL ILO QUY (LP)
BARCLAY/UNIVERSAL:7734205 (EU 2019)

INARA GEORGE/DEAREST EVERYBODY イナラ・ジョージの最新アルバムがCD化されました

昨年
LP盤とダウンロードのみで
発売された
イナラ・ジョージの最新盤が
ボーナス・トラック付きで
やっとCD化されました。
ボーナス・トラックは
シナトラ&ナンシーの
「恋のひとこと」と
プリンスの「コンディション・
オブ・ザ・ハート」の
名曲2曲です。

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INARA GEORGE/DEAREST EVERYBODY (CD)
CA VA? RECORDS/HAYABUSA LANDINGS :HYCA3078 (JP 2019)