NICK DRAKE/THE MAKING OF FIVE LEAVES LEFT ニック・ドレイクのファーストアルバムの未発表音源がLP4枚組で発売

ニック・ドレイクのラストアルバム
「ピンク・ムーン1972年」は
日本で大人気だった。
渋谷百軒店のロック喫茶
「ブラック・ホーク」を震源地に
クチコミだけで「ピンク・ムーン」
人気は日本中に広がっていった。
原宿の竹下通りが住宅地だった頃
通りの真ん中にできた
当時としてはお洒落な輸入盤専門店
「メロディーハウス」の前に
「ピンク・ムーン」入荷予定日の
早朝はたくさんのファンが並んだ。
というのも当時イギリス輸入盤の
入荷枚数は10枚程度だったから。
ギターとピアノと「あの声」だけで
構成された「ピンク・ムーン」は
枯れた禅的な世界で
日本人好みだったのかも。
本国英国で「ピンク・ムーン」は
全く売れなかった。
ニックのウツ病の影響が強く出た
歌詞が災いしたらしい。
そのせいでニックのウツは悪化し
2年後の11月25日
自ら命を絶つ。

時代は移り今では欧米でも
「ピンク・ムーン」こそニックの
ベストと語る人は増えた。
しかしニックのソングライター
としての名声はファーストアルバム
「ファイブ・リーブス・レフト」
(1969年)あっての話。
そのファースト・アルバムの
未発表曲32曲を集めた
LP4枚組が発売された。
オーバーダブを嫌ったニックには
一曲を様々な歌い方やギター奏法で
試した未発表音源が山のように
存在するという。
ニックの音源の管理者たる
お姉さんのガブリエルが決して
許可しなかった未発表音源発売だが
自分が亡くなって他人に
墓荒らしされるような事態は
避けたいというのでエンジニアの
ジョン・ウッドと数年かけて
編集されたのがこのLP4枚組だ。
中身?
ガブリエルとジョン・ウッドに
感謝しかありません。

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NICK DRAKE/THE MAKING OF FIVE LEAVES LEFT (4 LP SET)
ISLAND UM (2025 EU)


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