毎回ゴージャスな
Only Love Can Break Your Heart
(ニール・ヤング)なアルバムを
届けてくれるジョン・グラント。
その意味で彼の6枚目の
スタジオ・アルバムは
期待を裏切らない。
いつものように
そこまで言っちゃっていいの?
と心配になる直接的な歌もある。
例えば欲望渦巻く
ゲイ・サウナの中に咲く
ロメオ&ジュリエット的純愛を
高らかに歌った
「クルーズ・ルーム」とか。
エルトン・ジョンの
Your Song の時代から比べると
ゲイのプラトニック・ラブの
表現もジャンプ・アップしたね。
タイトルはジョン・グラント自身を
表す「ボーイ・フロム・ミシガン」。
これはアルバムのテーマを表すと
いうよりサウンドの意外性を
ほのめかする意味合いが強い。
田舎の代名詞
中西部ミシガン州出身の
(行ったことあるけどいい所)
ジョン・グラントは
当時の最先端
ニューヨーク・パンクを
経過せずいきなり
ロンドン・ニューウェイブの
洗礼を受けた少年。
中でもスージー&バンシーズや
コクトー・ツインズといった
泥臭くて病んだ
ゴシック・パンクの影響は
ジョン・グラントの音楽に
今も色濃く残っている。そこに
アメリカ中西部の自然にも似た
壮大さや明正さが加わったのが
ジョン・グラントの音楽。
ジョン・グラントが
英国や北欧で人気が高い理由も
きっとそこだと思う。
JOHN GRANT/BOY FROM MICHIGAN (2 LP SET)
BELLA UNION :BELLA12200V (2021 UK)