ELLA FITZGERALD SINGS THE COLE PORTER SONG BOOK エラ・フィッツジェラルドのコール・ポーター楽曲集(前編)

(前編)

ロック・カフェのブログで
クイーン・オブ・ジャズ
エラ・フィッツジェラルドの
アルバムを紹介するのは何故?
理由は2つある。
ひとつは7月にアルバムを出す
ルファス・ウェインライト
新作に関する最新インタビューで
エラ・フィッツジェラルドの歌う
コール・ポーター集に関して
熱く語っていたこと。
もう一つは
全曲書下ろしの作品としては
8年ぶりとなる
ラフ・アンド・ロウディ・ウェイズ
を先週発表したボブ・ディランが
アルバム制作の
インスピレーションの一つとして
エラ・フィッツジェラルドを
挙げていたこと。

名盤として名高い
エラ・フィッツジェラルドの歌う
コール・ポーター集第1集と第2集は
1956年に 同時期に発売された。
当時エラは30代後半で
ジャズ・シンガーとして
最も勢いがある時期。
まだ存命中だった
コール・ポーターも
ミュージカルやハリウッドで
評判の高かった自作曲(32曲)を
世紀の歌手エラ・フィッツジェラルドに
歌ってもらえることを
とても喜んだという。

エラ・フィッツジェラルドは
ロジャース&ハートの名曲集
発売しているのだが
その歌唱は
程よいスイング感はあるものの
原曲に敬意を払い崩すことなく
歌いきるスタイル。
今回のコール・ポーター集も
エラ・フィッツジェラルドは
同様のスタイルで録音に臨んだ。

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後編は
1956年に東京芝浦電気
(東芝の前身)から
ヴァーブ・レコード
第1回発売としてリリースされた
エラ・フィッツジェラルドの
2枚のコール・ポーター集について。

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ELLA FITZGERALD SINGS THE COLE PORTER SONG BOOK (2 CD SET)
ESSENTIAL JAZZ CLASSICS (EU 2010)

NICKY JAM/INTIMO プエルトリコ出身のレゲトン・シンガー「ニッキー・ジャム」の最新2枚組アルバム

コロナで自粛休業中は
ネットフリックス漬けの毎日。
そこで見つけた
「ニッキー・ジャム」は
最高に面白かった。
今も現役バリバリの
プエルトリコ出身の
レゲトン・シンガー
ニッキー・ジャムの半生を
全13話に分けてドラマ化したもので
ドラマ後半からは
ニッキー・ジャム本人も登場する。
全編スペイン語で会話が進み
一流の脚本家を使っているのが
観ていてよく分かった。

今年の春に出た
ニッキー・ジャムの最新アルバム
期待を裏切らない素晴らしさだ。
ネットフリックスを観た後なので
2年前の世界的なクイーン・ブームと
同様の現象が自分の中で起きた
可能性は否定できないけれど
夏到来のプロローグとして
日に何度もピーターパンで流れている。

歌われてることの90%は
カネと女とクルマとドラッグで
たまに罪滅ぼしのように
ママが登場するのは
初期のヒップ・ホップと同じ構造だが
あからさまな俗っぽさは
ヒップ・ホップの比じゃない。
俗っぽさとは言ったけれど
実際は「俗」そのもので
その「俗」を
チャーミングな人柄と力量で
最高の芸にまで
押し上げてしまった
ニッキー・ジャムの凄さに
ただただ感銘。
いまさらながらだが
エド・シーランの
「シェイプ・オブ・ユー」も
レゲトン・リズムだったんだね。

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NICKY JAM/INTIMO (2 LP SET)
SONY:19439710461 (2020 US)


ELBOW/LIVE AT THE RITZ-AN ACOUSTIC PERFORMANCE エルボー地元マンチェスターでのアコースティック・ライブ

コロナの影響で
アルバムの発売延期が
続いているロック界。
やっと届いたエルボーの新作は
昨年秋のアコースティック・ツアーの
ライブ盤
そもそもエルボーの音楽は
アコースティックなテイストが
ベースになったロックなので
なんで今更という気はする。
ビートルズで例えると
「ノルウェイの森」や
「ヘイ・ジュード」の
アコースティック・ヴァージョンを
聞かされるようなものじゃない?
でもそこは
イギリスの国民的バンド・エルボー
だから許される所業なのね。
実際
馴染みの曲では
会場を埋め尽くしたファンの
多くがリード・ボーカル
ガイ・ガーヴェイの歌に合わせて
大合唱しているし。

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ELBOW/LIVE AT THE RITZ (LP)
POLYDOR:60250848609 (2020 EU)

THE BAND/MUSIC FROM BIG PINK 50TH ANNIVERSARY EDITION BOX SET ザ・バンドのミュージック・フロム・ビッグ・ピンク発売50周年記念ボックスセット

ザ・バンドのファースト・アルバム
ミュージック・フロム・ビッグ・
ピンク
」発売50周年記念ボックス
を手に入れた。
1968年に発売された
オリジナルのアルバムは
演奏・楽曲・精神性・格調
どれをとっても超一流の
名盤中の名盤だった。
この発売50周年記念ボックスには
ヴィニール盤2枚
(片面に2~3曲づつ)
CD2枚(1枚はブルーレイCD)
ザ・ウェイトの7”シングル 
額縁用写真3枚
レアフォト付ブックレット
が収められている。

改めて「ビッグ・ピンク」を
聞いて思ったのは
プロデューサー
ジョン・サイモンの
民主的で開かれた知性が
このアルバムを歴史的名盤と
呼ばれるものにしたということ。
どういうことかというと
ジョン・サイモンは
スタジオで奏でられた
楽器音やヴォーカルの
些細な響きまでも
完璧にテープに残し
その「すべての音」に敬意を払い
1曲1曲丁寧なリミックスを
行ったということ。
(グリン・ジョンズの非情ともいえる
四捨五入的ミックスがなされた
「ステージ・フライト」と好対照)
スタジオに漂う空気さえ
閉じ込めたようなサウンドと
称される所以はそんな所からも
来ていると思う。

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THE BAND/MUSIC FROM BIG PINK
(2 LPS/7″EP/CD/BLU LAY CD/BOOKLET/PHOTO CARDS
CAPITOL/UNIVERSAL:B00284-00 (2018 US)