カテゴリー別アーカイブ: music

七尾旅人6年ぶりの新作「STRAY DOGS」

6年ぶりの七尾旅人の新作
ストレー・ドッグス」。
東北大震災
その後の放射能禍を
歌った前作が
強烈だったせいか
聞き始めはちょっと
物足りなさを感じる。
でも5曲目の
「月の上のデヴィッド・ボウイ」で
(スターマン死して
月に帰るってことかな)
ギアが入り9曲目の
「きみはうつくしい」で
ハイライトを迎える。

デビュー20周年記念アルバム
という触れ込みだが
七尾旅人自身の
人生総括の意味合いが強い。
自分が父親になり
湧き上がった息子に
対する無条件な愛は
「きみはうつくしい」で
人生応援歌の形をとり
シンプルに表現されている。
時間をさかのぼり
ヒッピーだった自分の親
正確に言うと父親に対する
複雑な思いを歌にした
「リービング・ヘヴン」に
泣けた。

PS
「月の上のデヴィッド・ボウイ」の
歌詞の一部に
「スケアリー・モンスターズ」が
出てくるのだが
そのアルバムのプロデューサー
トニー・ヴィスコンティが
昨日ユーチューブで公開された
「アメーバ・ミュージックで
何を選ぶか?」で
ボウイのアルバムの中で
「スケアリー・モンスターズ」が
1番好きだと語っている。
ビートルズやTレックス
グリン・ジョーンズや
ベルベット・アンダーグラウンドの
面白いエピソードも聞ける。
最高なのは
「時計仕掛けのオレンジ」の
サントラを手がけた
ウォルター・カーロス
(後に性転換して
ウェンディに改名)のくだり。

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七尾旅人/STRAY DOGS (CD)
SPACE SHOWER MUSIC:PECF1164 (2018 JP)

武川雅寛/ A JOURNEY OF 28 DAYS

ムーンライダースの
ミスター・サイレント・マン
武川雅寛さん。
その最新ソロアルバムだが
寡黙な分だけ内に秘めた情熱は
人一倍って感じ。
ソロアルバムなのに
専制的なところは無く
参加ミュージシャンに
与えられた自由度は
とても大きい。
その辺は日本でもっとも
民主的なバンドと称された
ムーンライダースの伝統か。
M-3の「天井のエアコンの歌」は
3年前の大病の際に
次々と襲い来る
幻聴や幻覚が歌われている。

PS
武川雅寛@ピーターパン
12月2日(日)
チケット完売いたしました。
残念ながら
当日券はございません。

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武川雅寛/A JOURNEY OF 28 DAYS (CD)
PRESERVATION SOCIETY:PRSA3004 (JP 2018)

JOHN GRANT/LOVE IS MAGIC ジョン・グラントの4枚目のアルバム

ジョン・グラントの
4枚目のアルバムが出た。
静かだが聞き手を
自分の世界に引きずり込む
ジョン・グラントのボーカルは
相変わらず強烈。
ジャケットは
カゴの鳥と化した
ジョン・グラントの写真。
LPジャケ買いの時代だったら
クリムゾンの「宮殿」と
どっちを買うか迷うかも。
アルバム・タイトル
「ラブ・イズ・マジック」
から推測するに
愛の囚われ人って
ことなんだろうか。

「ラブ・イズ・マジック」
「ラブ・イズ・サドネス」
「ラブ・イズ・ペイン」
「ラブ・イズ・ドラッグ」
ラブをかたちづくる
不思議や悲しみや痛みや喜びを
官能200%に変換できる
ミュージシャン
ジョン・グラント。
このタイプのトップ3は
リードとプリンスとジョニね。

哀愁テクノなアルバムが
続いたせいか
2010年に沢山の媒体で
年間ベストアルバムに
選ばれた「クイーン・オブ・
デンマーク」を懐かしむ声も
聞こえるが
そんな方には1970年代
シンガー&ソングライター風の
アルバム後半4曲が
気に入ってもらえると思う。

追記
ジョン・グラント東京公演決定
2019年3月7日(木)8日(金)
東京キネマ倶楽部
オールスタンディング ¥7000

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JOHN GRANT/LOVE IS MAGIC (2 LP SET)
BELLA UNION : BELLA825V (2018 EU)

THOM YORKE/SUSPIRIA SOUNDTRACK トム・ヨークが手掛けた映画「サスペリア」のサントラ

1970年代に大ヒットした
イタリアのホラー映画
サスペリア」のリメイク
予告編のキャッチ・フレーズ
「決して、ひとりでは
見ないでください」で
有名なアノ映画ね。
そのサントラを
レディオヘッドの
トム・ヨークが担当。
ホラーものにありがちな
コケ脅し的なところは無く
アンビエントを加味した
とても正統的なサントラだ。
トム・ヨーク自身の歌物も
数曲フューチャーされているが
これがとても良い。

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THOM YORKE/SUSPIRIA SOUNDTRACK (2 LP SET)
XL RECORDINGS :XL936LP (EU 2018)

THE BEATLES/WHITE ALBUM ビートルズのホワイト・アルバム発売50周年記念

ホワイト・アルバム
発売50周年記念アルバム
が発売された(3枚組)。
目玉のボーナスCDには
4人が個々に書き上げた曲を
ジョージ・ハリスンの家に
持ちよって4人そろって
デモ録音した通称
「イーシャー・デモ」
27曲が収められている。
その当時
ジョンとリンゴは27歳
ポールとジョージは25歳
ほとばしる若き才能に
胸が締め付けられる。

本編「ホワイト・アルバム」
の方はどうかというと
2014年リミックス版と比べ
はっきり変わったのは
ドラムスとベースで
よりクリアーでソリッドに。
ボーカルは少し後退し
そのせいかサウンドは
立体的になった。
特にオリジナルLP盤の
「バースデイ」で始まる
第3面ハードロック・サイドは
これまで団子状態だったが
今回の2018年リミックス版は
分離が飛躍的に良くなっている
しかも
迫力を削ぐことなく。

そしてライナーノーツを
読んでさらに驚いた。
ジェフ・エマリックに代わって
このアルバムの録音を
担当したのはクリス・トーマスと
ケン・スコットだが
なんと当時2人ともまだ21歳。
ケン・スコットのこの体験が
後の「ジギースターダスト」に
生きるわけだ。

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THE BEATLES/THE BEATLES (3 CD SET)
APPLE UNIVERSAL : UICY78857/9 (JP 2018)

MITSKI/BE THE COWBOY 日系アメリカ人のミツキはいいね

日系アメリカ人のミツキ
みずみずしさ一杯の
アルバムなので
デビュー盤かと思ったら
これが5枚目。
歌いっぷりは
デジタル・フォークの
ベス・オートンや
フレンチ・ポップスの
フランソワーズ・アルディを
思い出させる低体温系。
インタビューでは
ビョークや椎名林檎が
アイドルだと答えている。
日本人のお母さんが
聞いていた中島みゆきや
ユーミンや山口百恵も
好きだとも。
そういえば
デビューしたての
ユーミンのキャッチフレーズは
日本のフランソワーズ・アルディ
だったね。
今日届いたばかりの
新譜だけれど
1度聞いた時より
2度目3度目のほうが
良く聞こえてきた。
きっと愛聴盤になると思う。

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MITSKI/BE THE COWBOY (LP)
DEAD OCEANS :DOC 150 (2018 EU)