カテゴリー別アーカイブ: music

LOU DOILLON/LAY LOW ルー・ドワイヨンのセカンド・アルバム(2015年)

ルー・ドワイヨンの
セカンド(2015年)が入荷した。
今年の2月にご紹介した
サード・アルバムも好盤だったが
このセカンドはそれを超える傑作。
彼女の書く曲からは
楽しいとか
好きとか
悲しいとか
嫌いとか
切ないとか
そんな当てにならないものに
振り回されるのはまっぴら
って意思を感じる。
パリのどんよりした
曇り空のようなルーの声で
歌われるとき
曲の持つリアリティは倍増する。

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LOU DOILLON/LAY LOW (CD)
BARCLAY/RAMBLING RBCP2961 (2015 JP)

FRANK OCEAN/BLOND(E) フランク・オーシャンのセカンド「ブロンド」

2016年の夏
ダウンロードのみで発売された
フランク・オーシャンの
セカンド・アルバム
ブロンド」を手に入れた。
ゆくゆくはCDかLPで
発売されるだろうと
思っていたのだが
3年経ってもその兆しなし。
しびれ切らして
イタリアの海賊盤を買うことに。
ちなみに
フランク・オーシャンの
ウェブサイトで1日限定で
発売された2枚組LP
(XLレコーディングス)は
今イーベイで4万円以上。

米タイム誌で評論家が選ぶ
2016年のベスト・アルバム
第1位になった「ブロンド」。
2012年の
ファースト・アルバム
チャンネル・オレンジ
(国内盤の対訳付)は
熱気と静寂の混ざり具合が
独特で大好きだった。
ファースト・アルバムで
さらに驚いたのは
ジェイムス・ボールドウィンばりの
ビビットな歌詞だった。
たぶんだけれど
このセカンド・アルバム
「ブロンド」でも
さらに磨きをかけた歌詞の世界が
繰り広げられてると思う。
でなければ
タイム誌ベスト・ワンは
考えられないもの。

1曲を除いてすべて
フランク・オーシャンの
オリジナル楽曲だが
その1曲というのが
バート・バカラック&
ハル・デヴィッドの
「クローズ・トゥ・ユー」。
カミングアウトしたゲイの
フランク・オーシャン
ゲイとして有名な
ハル・デヴィッドの歌詞に
共感してのカバーに違いない。

Why do birds suddenly appear
every time you are near?
なぜあなたが近くにいると
小鳥達が突然あらわれるのかって?
Just like me,
they long to be close to you
私みたいに
みんなあなたが大好きで
そばによりたいのよ
Why do stars fall down
from the sky every time
you walk by?
なぜあなたが歩く先々で
流れ星が空からふってくるのかって?
Just like me,
they long to be Close to you
私みたいに
みんなあなたが大好きで
そばによりたいのよ
On the day that you were born
あなたが産まれた日
The angels got together
and
decided to create a dream come true
天使達が集まって
「僕らの夢の結晶をつくるんだ」
って決めたの
So they sprinkled moon dust
in your hair of golden starlight
in your eyes of blue
だから彼ら
あなたの髪に月の欠片を
あなたの青い瞳に星の輝きを
ふりかけていったのよ
That is why all the girls in town
follow you all around
これが
あなたが町中の女の子に
追いかけ回される理由
Just like me,
they long to be close to you
私みたいに
みんなあなたが大好きで
そばによりたいのよ

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FRANK OCEAN/BLOND (2 YELLOW VINYLS)
BOOTLEG FROM ITALIA

CHRIS DAVE AND THE DRUMHEDZ クリス・デイヴの初ソロアルバム

旬のドラマー
クリス・デイヴの
初ソロ・アルバムが出た。
アデル
ディアンジェロ
エド・シーラン
宇多田ヒカル
ジャスティン・ビーバー等
ヒット・アルバムの
ドラマー・クレジットに
必ずと言っていいほど登場する
クリス・デイヴ。
この人
名門ハワード大出のインテリで
ドラム・プレイヤーで
かつサウンド・クリエーター。
この初ソロ・アルバムも
登り調子の新鋭ラッパーや
シンガー達と(ANDERSON
PAAK  BILAL他)
ゼロから音楽作ってみせるぜ!
という気迫に満ちている。
当然ドラマーのソロ・アルバムに
ありがちな過去に仕事をした
セレブ・ミュージシャンの
「お返し」ゲスト参加は無し。
アグレッシブなアルバムだが
業界歴が長いだけに(45歳)
聞かせどころのツボは外さない。

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CHRIS DAVE AND THE DRUMHEDZ (2 LP SET)
BLUE NOTE/UMG : B002705401 (2018 US)

MARVIN GAYE/YOU’RE THE MAN マービン・ゲイの未発表アルバム(1972年録音)

今日はマーヴィン・ゲイの誕生日。
あまたのソウル・シンガーの中で
マーヴィンは疑いなく
トップ・オブ・トップな存在。
44歳で亡くなるまで
2度の離婚とドラッグで
精神も肉体もボロボロの
状態だったにもかかわらず
常人には到達しえない
スーパーな歌手であり続けた。

スーパーな歌手であると同時に
ミュージック・クリエーター
マーヴィンの天分を
全世界に知らしめた
1971年の
「ファッツ・ゴーイング・オン」と
1973年の
「レッツ・ゲット・オン」。
その2枚のアルバムの間に
未完成に終わったアルバムが
あるって噂は知っていた。
47年の時を経て
今その未完のアルバム
聞くことが出来る。

マーヴィンがこのアルバムを
なぜ没にしたのか?
今日届いたばかりのアルバムだが
ちょっと聞いただけで
その理由はなんとなく分かった。
ビートルズだって
「ホワイト・アルバム」の後の
「ゲット・バック」を
今にして思えば大したことない理由で
没にした。
そこにはマーヴィンや
ビートルズのような
トップ・アーティスト故の
葛藤があったんだと思う。
とはいってもそこは
ビートルズやマービン
没は没でもレベルが違う。
LP盤でいうとC面が素晴らしい。

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MARVIN GAYE/YOU7RE THE MAN (2 LP SET)
MOTOWN/UNIVERSAL:602577163395 (2019 US)

DAVID AXELROD/EARTH ROT デヴィッド・アクセルロットの「アース・ロット」

カリフォルニアの
もっと正確には
キャピトル・レコードの
作曲家&アレンジャーとして有名な
デヴィッド・アクセルロッド。
彼が1970年に発表した
サード・アルバム
アース・ロット」が再発された。
英MOJO誌のレビューで
5つ星だったので
買ってみたのだが
あまりよく分からない。
というより
どこがこのアルバムの
「キモ」なのかがよく分からない
好き嫌いはその後の話。

カルト集団の
勧誘ビデオのような
不協和音の混じった
荘厳なコーラスで始まり
徐々に演奏者が加わり
盛り上がっていく。
ドラッグ抜きの
ソング・サイクル?
哀愁の抜きの
キング・クリムゾン?
サービス精神の欠如した
デオダート?
曲名も
「警告パート1」とか
「前兆パート2」とか
まるでコルトレーンの
アルバム・タイトルみたい。
自分の音楽知識の中から
何かヒントになりそうなものを
探し出そうとしたが
まだ霧の中。

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DAVID AXELROD/EARTH ROT (CD)
NOW AGAIN/CAPITOL/UNIVERSAL:NA5167 (1970/2018 US)

細野晴臣 HOSONO HARUOMI/HOCHONO HOUSE

「ホソノハウス1973年」の
2019年版「ホチョノ・ハウス
その第一印象は
艶っぽくてリッチ。
思い起こせば
細野さんのアルバムは
テイチクレコードの
アンビエント時代を含めて
どれもそうだった。
清貧の美をたたえた
特別な音楽を除いて
細野さん
音楽を取り巻く
貧相な匂いのするものが
とことん嫌いなんだろうね。

アルバムの中身については
SNSや雑誌等でたくさん
発信されるだろうから
アルバム・ジャケットに
ついてちょっと。
一見ジャケット写真は
「ホソノハウス1973年」を
処理加工したものに
見えるけれど
「左目」と「左耳」は
2019年の細野さんのソレ。
つまり細野さん
たとえ歳をとり体は衰えても
世間をしっかり見据える
「目」と「耳」はまだまだ
衰えちゃいないぜって
宣言してるわけ。
じゃ
その見聞きしたものに対して
細野さんの思いを発する「口」は
どうなってるの?
ピエール滝の捕まった
今日話すのもなんだが
その「口」の咥えタバコ
これ実は「マリワナ」。
LP盤の大きな写真だと
ねじれた形状がよくわかる。
細野翁の笑いのセンス
いまだ衰えず!
関東圏と東北6県の
朝日新聞にのみ掲載された
一面広告の方は
さすがに「日本タバコ」を
持った写真が使われていたが
これとて
最近の嫌煙ブームに対する
細野さんの「他人(ひと)の
楽しみにいちいち口出すな」
という強烈な一発。

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細野晴臣/HOCHONO HOUSE (LP)
VICTOR : VIJL60196 (2019 JP)

THE CLAYPOOL LENNON DELIRIUM/SOUTH OF REALITY ザ・クレイプール・レノン・デリリイウムのセカンド・アルバム

ショーン・レノン&
レス・クレイプールの
プロジェクト第2弾
前作のポップ風味の
プログレ・サイケを
さらにグレイド・アップ。
ショーン・レノンの
生い立ちゆえの
サロン的雰囲気は残しつつ
ビートルズはもとより
ピンク・フロイドや
キング・クリムゾンなど
ヒストリー・オブ・サイケが
複雑に絡み合う匠の技。

日本盤のみに収められた
4曲のボーナストラックが
聞き物。
ピンク・フロイドの
「天の支配」
ザ・フーの「ボリスのくも野郎」
フラワー・トラベリン・バンドの
「さ・と・り」
そして
キング・クリムゾンの
「クリムゾン・キングの宮殿」。
「宮殿」は
ロック・ミュージシャンなら
冗談半分本気半分で
一度は演りたい曲なんだと思う。
プロの演歌歌手が
カラオケボックスに
こっそり出かけ
「津軽海峡冬景色」
歌うみたいなもの?

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THE CLAYPOOL LENNON DELIRIUM/SOUTH OF REALITY (CD)
SONY : SICX121 (2019 JP)

JAMES BLAKE/ASSUME FORM ジェイムス・ブレイクの最新作

「音を紡ぐ(つむぐ)」と
いう言い方あるが
ジェイムス・ブレイクほど
この言葉が似合う
ミュージシャンはいない。
分かりにくければ
ミス・ジョニ・ミッチェルの
アルバム「ヘジラ」を
思い浮かべてみて。
そういえば
ジョニ・ミッチェルは
例の病気で倒れる前
ジェイムス・ブレイクの
コンサートを見に行ってる。

2016年の前作
聞きこむほどに
「このアルバムはすごい」と
思わせるものだったが
今日発売のこの新作(4作目)
1曲目が流れた途端
全身ゾクゾク。
こぼれ落ちる1音1音
もったいなさ過ぎます
ジェイムスさんって感じ?

国内盤には
2曲のボーナストラックが
追加されているが
1曲はドン・マクリーンの
「ヴィンセント」
これはアルバム
「アメリカン・パイ」の
A面3曲目に入っていた曲で
この曲で世界中の
ドン・マクリーン・ファンは
涙したもの。

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JAMES BLAKE/ASSUME FORM (CD)
POLYDOR : UICP1192 (2019 JP)