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ONEOHTRIX POINT NEVER/AGE OF ワンオートリックス・ポイント・ネバーの新作

最近増えてきている
長くて覚えにくい
アーティスト名の代表格
ワンオートリックス・ポイント・
ネヴァーが3年ぶりに新作
発表した。

データだけ挙げていくと
共同プロデュースが
ジェイムス・ブレイク
ゲスト・ボーカルが
アノーニ
マスターリングが
ラモーンズから矢野顕子まで手掛ける
グレッグ・カルビ
アートワークが
デヴィッド・ルドニックと
ニューヨークMOMA的な
一流どころが勢ぞろい。

最初は句読点や段落が欠如した
カオスのような音楽に聞こえるが
徐々に3D化した
巨大設計図のような姿を表し
圧倒される。
桂離宮のようなどこから見ても
狂いの無い整合感は
すっきりさっぱりが大好きな
日本人向けかも。
目を凝らして棚を見やれば
奇異だがチャーミングなオブジェも
置かれていたりと
すっきりさっぱりだけでは
終わらない工夫も
アルバムのそこかしこに。
すべてに抜かりないのが
ワンオートリックス・ポイント・
ネヴァー。

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ONEOHTRIX POINT NEVER/AGE OF (LP)
WARP:WARPLP295 (2018 EU)

KIRINJI キリンジの新作「愛をあるだけ、すべて」

6月13日発売の
キリンジの新作が届いた。
新生キリンジは
新メンバー1人1人が
バック・ミュージシャンなどではなく
キリンジの大切な乗組員なんだぜ
という民主的な方向性でやってきたが
今回一部軌道修正。
楽曲はすべて堀込高樹が
書くことになった。
昔からのキリンジ・ファンの
安堵の声が聞こえてきそう。
新生キリンジになってから
歌詞とサウンドの交錯が
ハイパー・モダンになったけれど
この新作はその最終完成形と
呼べると思う。
それにしてもだ
キリンジが「愛」という言葉を
アルバム・タイトルに付けるのは
今回が初めて。
デビューした時から
「愛」という直接的な言葉を
使うことなく回りくどく(失礼)
「愛」を語り続けてきた堀込高樹。
その彼がなぜ今?
ファンのSNSが騒がしくなりそう。

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KIRINJI/愛をあるだけ、すべて (CD)
VERVE UNIVERSAL MUSIC JAPAN:UCCJ2156 (2018 JP)

MOJO 294 MAXUMUM R&B 45s FROM THE DAWN OF MOD

1960年代に入って
英国モッズ・ブームはピークを迎え
スモール・フェイセスやフー
キンクス等素晴らしいバンドが
わんさか登場してきた。
そのモッズ・バンドの中で
渋い音楽通をうならせたのが
スペンサー・デイビス・グループ。
アイランド・レコードの社長
クリス・ブラックウェル
自らがプロデュースし
クリスの多彩な音楽的教養と
冴えたアイディアが
スペンサー・デイビス・グループを
一流バンドに押し上げた。
なんといってもリード・ボーカル
スティービィ・ウィンウッドの
レイ・チャールズ張りの歌声が
素晴らしかった。

「ギム・サム・ラビン」や
「キープ・オン・ラニング」等
スペンサー・デイビス・グループの
日本盤のシングルの解説には
決まってアメリカのノーザン・ソウルに
影響を受けて云々と書かれていた。
ノーザン・ソウル?
当時中学生の当方としては
興味ゼロでノーザン・ソウルの
何たるかは今の今までわからずじまい。
そこに届いた「MOJO」5月号
おまけCDにびっくり。
なんとモッズに影響を与えた
ノーザン・ソウルのコンピだった。
1曲目のボビー・パーカーの
「ウォッチ・ユア・ステップ」は
ウィンウッドが歌ってるのかと思った。
声のシャクレ具合まで一緒。
ロック寄りのR&Bを15曲収録
どの曲も最高!

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MOJO ISSUE NUMBER 295 MAY 2018 (UK)

RY COODER/THE PRODIGAL SON ライ・クーダー6年ぶりの新作

音楽の求道者ライ・クーダー
6年ぶりの新作。
今回も自作曲は3曲だけで
残りは熱心な音楽ファンでも
聞いたことのない
古いレアな楽曲ばかり。
ユーチューブのインタビューでも
答えているように
ライ・クーダー自身
つい最近見つけた楽曲も
多いのだという。
だからだろうか
演奏しているときの
ライ・クーダーの表情は
新鮮な名曲に出会えた
喜びにあふれている。

1970年にデビューした時から
変わらぬ遺跡発掘のような
ライ・クーダーの
曲選びスタイルは僕らに
世界にはこんな素敵な音楽が
溢れているんだよって
語りかける。
ライ・クーダーがいなければ
日本でダン・ペンのライブが
開かれることはなかっただろうし
(ダーク・エンド・オブ・ストリート)
仙台のロック・カフェのマスターが
2度もキューバに行くことは
なかったはず(ブエナ・ビスタの
新作映画は7月日本公開)。

新作は名盤誕生の予感を漂わせる
ゴスペルグループ
ピルグリム・トラベラーズの
「ストレート・ストリート」でスタート
表情に富んだライの歌声がいい。
このあともオオ!と思わせる曲が
続くのだが
ライ・クーダーの長年のファンなら
ブラスバンド用の楽曲を
たくさん書いてきた
アルフレッド・リードの
「ユー・マスト・アンロード」で
涙腺のねじが緩むはず。

それにしてもだ
ミスター・ワーナーブラザーズだと
思われていたライ・クーダー
ワーナーを離れる時代。
ギブソンの倒産に
象徴されるようにエレキギターが
ロックの主役だった時代は
終わろうとしているのかも。

PS
下のユーチューブだけれど
ライ・クーダーの左手の「ガラス」の
ボトルネックに注目あれ。
ライは金属は嫌いらしく
徹底したガラス派。
1970年に「シングアウト」誌の
インタビューでガラスの良さを
力説してた記憶が。
だが
本当に言いたかったのは
そんなことじゃない。
ライの薬指に当然あるはずの
マリッジリングが消えてる!
驚いたことに49年連れ添った
スーザン・タイトルマンと
昨年離婚したらしい
わからないもんだね。
ドラムスのフォアキン・クーダーが
まだおなかに居るとき
ライとスーザンに会ったことが
あるのでなんか複雑。
ライの時に意固地とも思えるくらいの
音楽への情熱はスーザンが
支えていた部分が大きかったと
思っているので。
薬指に残ったマリッジリングの
食い込み跡が生々しい。
以上文春デジタルでした。

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RY COODER/THE PRODIGAL SON (LP)
FANTASY PERRO VERDE : FAN00236 (2018 US)

INARA GEORGE/DEAREST EVERYBODY イナラ・ジョージのセカンド・ソロ・アルバム

ローウェル・ジョージの娘
イナラ・ジョージ(43歳)の
セカンド・ソロ・アルバム
「ザ・バード&ザ・ビー」や
「リビング・シスター」の活動を経て
これぞイナラ・ジョージ!と
叫びたくなるような
傑作アルバムを作り上げた。
アリアナ・グランデに代表される
サイボーグ化した全く欠点を
感じさせない歌手達も
現代的で好きなのだが
ノラ・ジョーンズのような
天性の歌のうまさを持った
ナチュラル志向の
オーガニック歌手達も捨てがたい。
イナラ・ジョージは
間違いなく後者なのだが
カリフォルニア・ガールらしい
(一説にはボルチモア出身)
のびやかな明るいトーンの
声を持っている。
それでいてシットリ感もあって。
ライブで時折披露する情の深い歌は
父親譲りだろうね。
1曲を除き
すべてイナラ・ジョージの作詞作曲。
今日届いたばかりの新作だけれど
好きになりそうな曲が沢山入っている。
その中で「リリース・ミー」
群を抜いた名曲。

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INARA GEORGE/DEAREST EVERYBODY (2 LP SET)
SLOW DOWN SOUNDS :040232665608 (2018 US)

FRANCOISE HARDY/PERSONNA D’AUTRE 素晴らしいフランソワーズ・アルディ6年ぶりの新作

フランスの発売日から
1週間過ぎた今日の朝
フランソワーズ・アルディ
6年ぶりの新作が届いた。
76歳になった今も
デビューした頃と変わらぬ
パッションを秘めた
ヒリヒリした歌いっぷりが
大好きだ。

アルディは当初新作を作る気は
なかったらしい。
その彼女がどうしてアルバムを
作ることになったのか?
アルディ自身に語ってもらおう。

「さまざまな理由によって、
アルバムを新たに作ろうとは
考えていなかったの。
でも偶然耳にした曲
フィンランドのバンド
ポエッツ・オブ・ザ・フォールの
「SLEEP」に恋したことが
すべてのきっかけだったわ。
友人のエリック・ベンジーに
その曲を聴かせたら
彼も気にいってくれて
驚いたことに彼は
自分自身の歌詞無しの曲を
いくつか送ってくれたの。
その美しいメロディーに
インスパイアされて歌詞を
書き始めたわ。
(これはアルディの
最近のアルバム制作のパターン)
私がソングライティングを
再び始めたことを知った
ラ・グランド・ソフィーは
「LE LARGE 」という
素敵な曲をメールで送ってきてくれた。
同じようにパスカル・ダニエルは
忘れられないメロディーを持った曲
「PERSONNE D’AUTRE」を
提供してくれて・・・
ヤエル・ナイムの英語曲
「YOU’RE MY HOME」には
泣くほど感動したわ。
このアルバムはプロデューサー
エリック・ベンジーの才能と
優しいリーダーシップのおかげで、
出来上がったようなもの。
彼がいなかったらこのアルバムが
世に出ることはなかったわね。」

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FRANCOISE HARDY/PERSONNA D’AUTRE(LP)
PARLOPHONE : 0190295680152 (EU 2018)

KAYLIE MINOGUE/GOLDEN カイリー・ミノーグのナッシュビル録音

カントリー・ミュージックの聖地
ナッシュビルで録音された
カイリー・ミノーグの新作
前々からカイリーの
鼻にかかった歌い方は
カントリー・ソングに
バッチリはまると思ってたけど
これほどまでとはね。
カイリーが愛してやまない
ドリー・パートンを
思い起こさせる
生粋のカントリー・シンガーぶり。
ポップン・カントリーとしては
エド・シーランほど
完成度は高くないものの
時々挿入される
四つ打ちビートのせいか
親しみやすい。
世代や国籍そして性別をも超えた
不動の愛されキャラ
カイリー・ミノーグ49歳。

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KAYLIE MINOGUE/GOLDEN (CD)
BMG WARNER:WPCR17993 (JP 2018)

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