ベックの新譜だけど
圧倒的なサウンド構成力に
しょっぱなから鳥肌立ちっぱなし。
ベックは2年前
サーストン・ムーア(ソニック・ユース)の
ソロ・アルバムを
プロデュースしたのだけれど
その時の経験がこの新作に
大きく生きていると思う、
特に音像の遠近法の巧みな処理が。
このアルバムのキー・ポイントに
なってるストリングスなんて
ある時は天上界から
ある時は黄泉の国から
響いてくるからね。
(ストリングスの指揮は
ベックの実父デヴィッド・キャンベル)
このアルバムがベックにとって
12枚目になるのだけれど
世界中の最先端の
レコーディング・スタジオ・システムに
精通したベックが
歪と透明の攪乱の美を
これでもかと言わんばかりに
見せつける。
バーズに代表される
古き良きロサンゼルス・ロックの
鋭角部分を滑らかに削りとり
音と音の境界線をにじませ
ミルク&ハニーな桃源郷世界を
出現させている。
BECK/MORNING PHASE (LP)
CAPITAL RECORDS : 602537649747 (US 2014)