カナダ中西部アルバータ州に生まれ
１９６８年に典型的な
フォーク歌手としてキャリアを
スタートさせた
ジョニ・ミッチェル。
トロント～ニューヨーク～
ロサンジェルスと住まいが
変わるのと同調するように
音楽性を発展させてきたジョニ。
口の悪い人は付き合う男性が
変わるたびに・・というが
僕は大都会の持つ特別な力が
ジョニの音楽を幾重にも
脱皮させていったのだと思う。
１９６０年代後半には
高度な作品を書く歌手として
ディランやレナード・コーエンと
並び称されるようになる。
女性にしか描けないであろう
複雑な心の移ろいを
数分の限られた曲の中で
明快に提示し普遍的なものに
変えていく力
それは１９７１年の
「ブルー」でピークを迎える。
しかしジョニ・ミッチェル自身は
フォーク歌手のくくりで
評価されることへの欲求不満が
「ブルー」の頃にはピークに
達していたという。
リプリーズ・レコードから
４枚のアルバムを出した後
マネージャーの設立した
アサイラムへ移籍し発売された
「フォー・ザ・ローゼス」は
フォーク歌手
ジョニ・ミッチェルへの
決別宣言のようなアルバムだ。
当時を振り返ってみても
ここまで研ぎ澄まされた
最先端のサウンドを持つアルバムは
無かった思う。
下の写真を見てくれますか？
ジョニと１９８３年に
京王プラザホテルで会ったとき
「フォー・ザ・ローゼス」に
サインをお願いしたらジョニに
「このアルバムにサインをしてと
いうファンはあなたくらいよ」
と言われた。
僕がこのアルバムを選んだ
理由をあれこれ伝えたら
（ジャケ写の謎についても）
ジョニは最高に喜び
マリブの住所を教えてくれた。
１９９０年に教えられた住所を
訪ねたときは別の場所に
引っ越した後で守衛はつれなくて
新住所を教えてくれなかった。
さてジョニのデモ・テイクや
未発表ライブを収めた
アーカイヴ・シリーズも第３弾。
第３弾には
「フォー・ザ・ローゼス」
「コート＆スパーク」
「夏草のいざない」時代の
未発表曲が収められている。
ＣＤ５枚どれも興味深い
内容なのだが１つだけ
言わせてもらうとギターや
ピアノだけのデモ・テイクの段階で
アルバムの最終形は
ほぼ完成していたということ。
さらにすごいのは
アドリブのように聞こえた
トム・スコットのサックスも
実はジョニがこう演奏してほしいと
「うーうー」と歌ったそのままを
再現したものだったこと。
JONI MITCHELL/ARCHIVES VOL. 3 THE ASYLUM YEARS 1972-1975 (5CD SET)
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