若いと思っていた
ルファス・ウェインライトも
デビューから23年
いよいよベテランの域に
入ってきたね。
歌唱力ではデビュー当時から
大御所の風格があったルファス。
それゆえ2006年に
カーネギー・ホールでの
ジュディ・ガーランド・
トリビュート・ライブ盤が
発売されたときも
実年齢より老成した仕上がりに
さほど驚きもしなかった。
あれから15年
ジュディ・ガーランドを
歌うにふさわしい年齢(48歳)
になったルファスが
ジュディ・ガーランド・
トリビュート第2弾を発表した。
今度はロサンゼルスの
キャピトル・レコード・
スタジオでの
4人組コンボバンドによる
一発録りアルバムだ。
タイトルはずばり
“RUFUS DOES JYDY
AT CAPITOL STUDIOS”
エルトン・ジョンの
「グッバイ・イエロー・
ブリック・ロード」が
ジュディ・ガーランドの
ミュージカル「オズの魔法使」に
捧げられたのは有名な話。
これは保守的な1960年代の
アメリカでLGBTQへの
理解と共感を表明していた
ジュディ・ガーランドへの
エルトンからの追悼曲だった。
ルファスが2度も
ジュディ・ガーランド・
トリビュート・アルバムを出すのは
エルトンと同じ理由が考えられるが
それ以上にジュディ・ガーランドの
歌手としての黄金期が
キャピトル・レコード時代に
あったとルファスが
認識しているからに違いない。
ジュディ・ガーランドの精霊が
宿るキャピトル・スタジオで
録音したくなるルファスの
気持ちよくわかる。
ビートルズ・マニアのバンドが
アビー・ロードで録音したがる
気持ちと同じ。
今もってルファスにとって
ジュディ・ガーランドは
とてつもなく大きな存在
なのだと思う。
さらに
想像をたくましくするなら
フランク・シナトラの
黄金時代のアルバムもこの
キャピトル・レコード・
スタジオで録音されてる。
そのあたりもルファスの頭の片隅に
あったかもしれない。
RUFUS WAINWRIGHT/RUFUS DOES JUDY AT CAPITOL STUDIOS (CD)
BMG:538778812 (US 2022)