JONI MITCHELL/ARCHIVES VOLUME 2 THE REPRISE YEARS (1968-1971) ジョニ・ミッチェルのアーカイヴ・シリーズ第2集

ジョニ・ミッチェルの
アーカイブ・シリーズ
第2集が発売された。
前回第1集は
デビュー・アルバム以前の
レア・トラックスを
集めたものだった。
この第2集(CD5枚組)は
デビュー・アルバム
(1968年)から
「ブルー」(1971年)までの
ジョニ・ミッチェルの才能が
大きく花開く時期の
デモやライブを集めたもの。

ところでジョニは
何故今になっていわゆる
フォーク・シンガー時代の
アーカイブを公開する気に
なったのだろう?
その理由の1つには
死をも意識させるほどの
最近の病気の件があっただろう。
でも一番の理由は他にあるという。

最先端のクリエーターを
自認するジョニは
「フォーク・シンガー」と
呼ばれることを何より嫌っていた。
しかし数年前
フォーク・シンガー時代の
アーカイブを聞き返し
ひとつひとつの曲の中に潜む
何とも言えない純粋さに
ジョニ自身が驚かされ
それが今回のアーカイブ発表に
つながったらしい。

アルバムの中身に移ろう。
なんせレア・トラックが
CD5枚分あるので
聴きどころは
山のようにあるのだけれど
その中からちょっとだけ
ジョニらしいと感じたところを
御紹介するね。
名作の誉れ高い「ブルー」の中で
名曲中の名曲と呼ばれる
「ア・ケイス・オブ・ユー」に
関して。

「ブルー」の制作は
グラハム・ナッシュと別れ
ジェイムス・テイラーと
結婚直前までいった時期と重なる。
が実際はその2人の間に
レナード・コーエンと短期間だけ
恋仲になったジョニ。
いつもは自分が振る側だった
ジョニだがこの時は
生まれながらのドンファン
レナード・コーエンに
無残に捨てられた。
その顛末を歌にしたのが
「ア・ケイス・オブ・ユー」
なのだが
初デモ録音では感情むき出しで
怒りをマイクにぶつけまくる
ジョニ。
しかし半年後
ジェイムス・テイラーと共に
出演したBBCの特番では
達観した見事な表現の
「ア・ケイス・オブ・ユー」に
変わっていた。
またしてもジョニの
才能の「男肥やし」と化した
レナード・コーエンかな
(字余り)。

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JONI MITCHELL/ARCHIVES VOLUME 2
THE REPRISE YEARS (1968-1971) (5 CD SET)
RHINO/WARNER :60349784452 (US 2021)

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