来週の水曜日
47歳の誕生日を迎える
ルファス・ウェインライト
ポップ・アルバムとしては
8年ぶりの新作が発売された。
ルファス・ウェインライトの
音楽の魅力を聞かれたら
僕はいくらでも挙げることが出来る。
最初に浮かぶのは
当たり前に聞こえるかもしれないが
ルファスの音楽は「唄尽くし」
だってこと。
「カンターレ尽くし」ともいえるね。
それを実現させているのは
圧倒的なルファスの声の力
なんだけれど
最近のルファスのステージを
見るたびにそれを強く感じる。
次に挙げたいのは
メロディーの豊かさ。
シューベルトを筆頭に
ティーネイジャーのころから
聞き続けているクラシックの
多彩な旋律。
そして
ケイト・マッガリグル(母)や
ラウドン・ウェインライト(父)から
受け継いだフォーク音楽の素朴な旋律。
この両方が
ルファス・ウェインライトの
体の中で自然に混ざり合っている。
最後はやはり
ソングライターのキモ
歌詞だよね。
一流のソングライターと呼ばれる
人達には2タイプ居ると思う。
ひとつは
コール・ポーターや
ランディ・ニューマンのように
自分を取り巻く世界と
全く接点のない別世界の出来事を
ある時は悲しくも可笑しく
またある時は甘美で辛らつに
プロに徹して書き上げるタイプ。
彼らの場合
時代を超えた作品の完成を
目指すあまり
書き上げた曲の些細な部分
たとえば
英語の不定冠詞や定冠詞
(AとかTHE)の使い方に
一日中頭を悩ませたりする。
残るもう1つは
ジョニ・ミッチェルや
ボブ・ディランのように
最高の知性に裏打ちされた
世界の中心は「私」であり
「俺」であるというタイプ。
彼らの場合現時点での
自分にとってのリアルが全てで
その曲が後年どんな意味を
持つかなど眼中になし。
そしてこの2つのタイプを
同時に味わえるのが
ルファス・ウェインライトなのだ。
PS
CD(デラックス版)には
「ピースフル・アフタヌーン」と
「ヘイトレッド」の
フランス語ヴァージョンが
ボーナスとして入ってますよ。
RUFUS WAINWRIGHT.UNFOLLOW THE RULES (2 LP SET)
BMG :4050538512632 (EU 2020)