(後編)
「エラの唄うコール・ポーター傑作集」
No.1とNo.2のLPは
東京芝浦電気(後の東芝)から
アメリカとほぼ同時期に発売された
(昭和31年1956年)。
不思議なのは
ジャズの名門ヴァーヴのロゴと
東芝のクラシック専用の
エンジェル・レコードのロゴが
アルバムのジャケットに一緒に
印刷されていること。
ブルーノートとドイツグラモフォンの
ロゴが一緒に並んだような違和感?
調べてみたら
このアルバムが出た
当時の東京芝浦電気(後の東芝)は
本業の電気製品の売り上げが
なんと年商400億円を
超えていたという。
その勢いを借りて昭和30年から
レコード制作に乗り出した
東京芝浦電気だったが
洋楽はすべてエンジェル・レコードの
ロゴを使い発売されていた。
会社名が東芝音楽工業に変わり
洋楽ポピュラー専門のロゴ
「オデオン」を使い始めるのは
ビートルズ以降。
「エラの唄うコール・ポーター傑作集」
は当時1860円で発売されており
当時の大卒の初任給の平均が
5700円だったことを考えると
アルバム1枚が5万円くらいの
感じだったはず。
一体どんな人たちがこのアルバムを
買ったんだろう。
エラの唄うコール・ポーター傑作集No.1&2(LP)
TOKYO SHIBAURA ELECTRIC CO.,LTD (JP 1956)