JAMES TAYLOR/AMERICAN STANDARD ジェイムス・テイラーのレトロなカバー・アルバム

ジェイムス・テイラーの新作は
オール・カバー・アルバムで
ローレンツ&ハートをはじめとする
1960年代までの
アメリカン・スタンダード
14曲を録音している
(ミュージカルが多い)。
はっきり言って
考察と修練を重んじる
ニューイングランド人気質100%の
ジェイムス・テイラーだから
この手のレトロなカバー・アルバムに
ありがちなグラマラスなムードは皆無。

今頃になって
ジェイムス・テイラーが
レトロなカバー・アルバムを
作った理由は何だったんだろう?
医師の父アイザックと
元オペラ歌手の母ガートルードの
次男としてボストンで生まれ
移り住んだサウス・キャロライナで
大家族と共に育った
ジェイムス・テイラー。
その後ジョニ・ミッチェルや
カーリー・サイモンとの
ロマンスと離別
長年のヘロイン中毒を抱えながら
再婚したキャサリンとも10年で離婚。
その後知り合ったボストン・フィルの
マネージャーのキムと
2001年に再々婚し現在に至る。
そんな一見普通に見えて
普通じゃない
ジェイムス・テイラーが
その人生の様々なシーンで出会い
何かしら彼の
音楽に影響を与えることになった
名曲の数々にこの際まとめて
「ケリを付けてしまいたかった」
んじゃないだろうか。
数年前ディランが長年のアイドル
フランク・シナトラの
カバー・アルバムを録音したでしょ?
あれもケリをつけるって
ことだったんだと思う。

そもそも一般的には
ジェイムス・テイラーは
典型的なフォーク系
シンガー・ソングライターだと
思われているけれど
ジェイムス・テイラー自身は
このカバー・アルバムで
取り上げた作家達
(ホーギー・カーマイケルや
ヘンリー・マンシーニ等)と
同レベルの作品を書きたい!
という思いで音楽を作り続けてきた人。
そしてジェイムス・テイラーの
この姿勢こそが
ファンがジェイムス・テイラーを
愛し続ける理由でもある。

今日は
ジェイムス・テイラー
72歳の誕生日。

image JAMES TAYLOR/AMERICAN STANDARD (LP)
FANTASY CONCORD : FAN00620 (US 2020)
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