ジェーン・バーキンと
映画監督ジャック・ドワイヨンの娘
ルー・ドワイヨン(36歳)。
フランスで大ヒットした(20万枚)
ファースト・アルバム
(2012年)は
フランス語で歌われたが
2作目(2015年)と
3作目にあたるこの新作は
すべて英語で歌われている。
父親のジャック・ドワイヨンが
ニック・ドレイクや
レナード・コーエンの
ファンだったので
ルー・ドワイヨンは
幼い頃から
英米のロックやジャズに
親しんでいて
英語で歌うことに
抵抗はなかったという。
(もしかしてファースト・ネイムの
LOUはルー・リードから?)
ルー・ドワイヨンの魅力は
セカンド・アルバムの
歌詞の対訳を読んでも
明らかなように
とてもモダンな
シンガー&ソングライター
だってことに尽きる。
女性のシンガー&ソングライターは
そのほとんどが心象風景を
エッセー風につづるものだが
視点のシャープさって点で
ルー・ドワイヨンは飛びぬけている。
しかしそれ以上に聞き手を
とらえて離さないのは
この魅惑的な悪声だろう。
ルー・ドワイヨンのこの悪声は
ダメージ加工のジーンズや
ブス犬フレンチブルと同列の
21世紀だから通用する
美的センスに違いない。
LOU DOILLON/SOL ILO QUY (LP)
BARCLAY/UNIVERSAL:7734205 (EU 2019)