ギリアン・ウェルチ&デヴィッド・ローリングスの
新作、やっと届きました。
「ハーヴェストBY NEIL YOUNG」の出来損ないみたいだった前作が
よほどこたえたのでしょうか。
この8年間録音する気になれなかったと語る2人です。
2001年の傑作「タイム」に立ち返った印象の新作ですが
「タイム」を覆っていたドープの匂いは少なめです。
何のドラッグも使っていないのに
2人が演奏し始めたとたん
ジャコウの様に強烈なドープを発するんですね。
YOU TUBE 1番目の映像がそれを証明しています。
***
YOU TUBE 2番目の映像をごらんになってください。
新作のカバースリーブ、素晴らしいです。
フェルトっぽい厚い紙の上に職人が1枚1枚
版を刷りこんでいく手の込んだものなのです。
これがなんと
家族経営の小さな印刷屋さん(ロサンジェルス)で
作られているんですよ。
この印刷屋さんが泣かせます。
三編みの無愛想な職人とか
古い印刷機械にちょこっと乗った星条旗とか
片隅に何気なく置かれた花とか
インクの匂い立ちこめる整理された工房の具合とか
そんなこまごまとした事柄にぐっときます。
クラフトマンシップ溢れる音楽家と呼ばれることを
良しとするギリアン&デヴィッドの気持ちが
この一風変わったプロモヴィデオ1本に
凝縮されてると思いませんか。
***
いまやストーンズからポール・マッカートニーまで
手がける天才マスターリング・エンジニア、
ギリアン・ウェルチの「タイム」の仕事で名を上げたんです。
当時、歌と2本のギターだけで
あんな不思議な音空間を生み出せるのは
スティーヴン・マーカソンしかいませんでした。
もちろん今作もスティーヴンがマスターリングしてます。
GILLIAN WELCH/THE HARROW & THE HARVEST (CD)
ACONY RECORDS : ACNY 1109 (US 2011)