ソウルの名曲を山のように書いてきたドニー・フリッツ、
彼とザ・デコイズの仙台公演(2009年9月27日)が
大盛況のうちに終わりサインをもらいに
ファンが真っ先に向かったのは
なんとベースのデヴィッド・フッドだった。
デヴィッド・フッドが演奏に参加した
膨大な数のヒット曲を知っているファンが
たくさん見に来てたってことだ。
「男が女を愛するとき BY PERCY SLEDGE」
「貴方だけを愛して BY ARETHA FRANKLIN」
「ダンス天国 BY WISON PICKETT」
「ローン・ミー・ア・ダイン BY BOZ SCAGGS」
ひとつひとつ挙げていったら
20世紀後半の名曲集ができてしまう。
言うまでもなく
デヴィッド・フッドのキャリアは
リック・ホールをプロデューサーとする
フェイム・レコード(アラバマ州)のスタジオ付ハウスバンド
後のマッスル・ショールズ・リズム・セクションの
一員として始まった。
***
イギリスから出た。
1961年から1973年までの
R&Bがソウルになりディスコへ変わろうとする時期
まさにR&B/ソウル黄金期の名曲・名演オンパレード。
写真満載の82ページのブックレットには
レコーディング秘話がいっぱい。
ジニー・グリーンはデモトラック専門の歌手で
リック・ホールは彼女を決して一人前の歌手として認めなかったとか、
クラーレンス・カーターの大ヒット曲「PATCHES」は元々
チェアマン・オブ・・ザ・ボードが歌う予定だったとか・・。
全75曲通して聴いて気づくのは
フェイム・レコードのスタジオ付ハウスバンド
(時代によって3つに分けられる
マッスル・ショールズ・リズム・セクションは2期)の演奏は
スタックスやモータウンに比べれば
驚くほど柔らかく(メロー)
かつ奥ゆかしい(モデスト)ってこと。
結果
出しゃばり過ぎることなく
ロック~ソウル~カントリー
様々なタイプのアーティストの音楽に
寄り添っていけたんだと思う。
1960年代後半から1980年代まで
世界の一流ミュージシャン(ローリング・ストーンズ含)が
アラバマを目指した理由がなんとなく分かった。
PS:
アラバマ州がアメリカ国内でどれくらい田舎かと言うと
ニューヨークあたりから見れば
十分田舎のはずのテキサス州(アラバマの隣の州)で
「アラバマ行ってみたい」って話したら
「あんな田舎に何しにいくの?」って言われちゃった。
THE FAME STUDIOS STORY 1961/1973 HOME OF THE MUSCLE SHOALS SOUND (3 CD SET)
KENT : KENTBOX 12 (UK 2011)