「ネオ・フォーク」の一言では
片付けてしまえない何かを感じさせる
ジェイムス・ヨークストン
スコットランドのシンガー&ソングライターで
10年前の名作アルバムが再発された。
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1972年に
「ピンク・ムーン by NICK DRAKE」を
聞いたとき
すぐ素晴らしいとは思ったけれど
40年経った今
その有難さというか
よくぞこんな音楽を残してくれましたという
ニックに感謝したい気持ちは
何倍にも膨れ上がっている
ジェイムス・ヨークストンからは
それを同様の展開を感じる。
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アレンジは
若干の創意工夫はあるものの
聞くものに強い印象を残すものはない
でも聞き込めば聞き込むほど
ロンドンやマンチャスター出身の
フォークシンガー達の
単純な「俺様」志向にはない
ケレンミの無い強靭な「俺様」が
ジェイムスの音楽にはある。
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ジャケット写真に写ってる
スコットランドの小さなコテージに
仲間と篭り録音したアルバムだという
そのせいだろうか
大気の「麹」がジェイムスの音楽に
特別な匂いを残している。
故ジョン・ピールが絶賛したという意味が
少し分かりかけたところ。
JAMES YORKSTON/MOVING UP COUNTRY (2 LP SET)
DOMINO : REWIGLP 79 (UK 2012)