ミュージシャンにとって
3枚目のアルバムは
その後のアーティスト生命を
決定する大事なアルバム。
3枚目のしくじりで
将来を期待されたアーティストが
どれほど消えていったことか。
カルチャー・クラブの
「ウェイキング・アップ・ウィズ・
ハウス・オン・ファイアー」とか
戸川純の「好き好き大好き」とか。
逆に3枚目が成功すれば
その後の少々の駄作は
大目に見てもらえたりする
マドンナの「トゥルー・ブルー」とか。
もし解散したとしても
伝説のアーティストとして
ロック史に残れる
はっぴいえんどの
「HAPPY END」とか。
アデルの3枚目「25」だ。
実はアデル現在27歳。
アルバムを作り始める前
男の子を授かったアデル
女性アーティストなら
初めての子供を題材にした歌を
うたいたいはず
それが無いのだ。
「25」歳時のアデルが
「21」を世界的な大成功に
導いたプロデューサー
リック・ルービンに自信を持って
聞かせた新曲は
ことごとく却下されたという
ただ一言「深みが無い」。
タイトルを「27」とせず
「25」としたところに
アルバム完成までの2年間分の
産みの苦しみを察する。
何を言われようと
自分の気持ちに正直で
他人の不幸に心から涙するアデル
これまでの直球勝負のアデルに
一児の母となり人生の機微も
加わった新作「25」
アデル「80」が現実味を
帯びてきた。
日本盤には
3曲のボーナストラック。
ADELE/25 (CD)
XL HOSTESS SONY:BGJ 5252 (JP 2015)