ソフィア・コッポラの映画では
特別なことは何も起こらない。
それはこの新作でも同じ。
でもソフィア(40歳)の円熟ぶりに驚いた。
ソフィアって
人生の切なさ、くすっとする可笑しさを
詩的レベルにまで押し上げて
映画を作る監督。
ソフィア・コッポラの「SOMEWHERE」は
ベネット通り(フェリーニの甘い生活)を
サンセット・ブルーヴァードに置きかえた映画だ。
マストロヤンニがラストシーンで
「やっぱこの自堕落で
甘美なセレブ人生辞められません」
と諦念してしまうのに対して
「SOMEWHERE」の主人公は
(アメリカ人映画俳優という設定)
平原で愛車フェラーリを乗り捨て
新しい人生を生きようとする。
映画的な楽しみも実に豊か。
ベニチオ・デル・トロ等のカメオ出演、
ソフィアの
ラグジュアリー・ホテル趣味を反映した
シャトー・マーモント・ホテル(ウエスト・ハリウッド)や
ホテル・プリンチペ・ディ・サヴォイア(ミラノ)でのロケ、
などなど。
挿入歌はいつものように秀逸。
「マリー・アントワネット」のギャング・オブ・フォー
並みのサプライズはラストのタイトルバックで登場!
5月27日(金)まで仙台フォーラムで上映中。