RUFUS WAINWRIGHT/TAKE ALL MY LOVES 9 SHAKESPEARE SONNETS ルファス・ウェインライトのシェイクスピア・ソネット集

今度はヴィクトリア女王?
(真下の写真参照)
アルバムでも
コンサートでも
シリアスと笑いを
混ぜこぜにするのが
ルファス・ウェインライトの
音楽スタイル。
ファンはそこをよく知っているので
特別驚きはしない
でも今回は大笑いしちゃった。

新作はシェイクスピアのソネットに
ルファスがメロディーを付けたもの。
歌い手やナレーションは
妹のマーサをはじめとする
様々なゲスト陣。

シェイクスピアのソネット154篇は
ある青年に対する同性愛を
中心にしてシェイクスピア壮年期の
愛と苦悩を描いた詩を集めたもの。

全体は4つの部分に分けられる。
まだ若い青年に結婚を勧める詩
(1-17)
青年に対するシェイクスピアの
愛を歌ったもの
(18-126)
ダークレディと
呼ばれる女性について歌ったもの
(127-152)
そしてフィナーレの2編。

このアルバムの
ハイライトと呼んでいい
ソネット20番
「ある女の顔」の詩はこんな感じ。

「私の情熱の主人にして
女主人でもある君よ 
自然が描き出した女性の顔を
君は持っている
君はまた女性のような優しい心も
持っている
それは普通の女のように
浮気なものではない

目の輝きは女性よりも明るく
見つめるものに流し目を
するようなことはない
姿は男だが女としても申し分ない
男の目を盗み 
女の魂を揺さぶるのだ

君は始めは女として
作られたはずなのに
自然が君を作っているうちに恋に陥り
余計なものをつけて君を
わたしから取り上げてしまった
私にとっては何の用もない一物を
君は女を喜ばすために
選ばれたのだから
女を喜ばしてもよい 
だが私には本当の愛をおくれ」

・・・・濃密

ポール・ラッセル著
「古代から現代におよぶ
ゲイとレスビアン100人を
独断と偏見でランキング」では
オスカー・ワイルドが3位で
シェイクスピアは第20位。
ちなみに
三島由紀夫62位
フレディ・マーキュリー90位。

image
RUFUS WAINWRIGHT/TAKE ALL MY LOVES 9 SHAKESPEARE SONNETS (2 LP SET)
DEUTSCHE GRAMMOPHON :02894795509 (EU 2016)

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