トム・ヨークの新しいバンド
アトムス・フォー・ピースのアルバムが完成。
パソコンで作り上げた
トムのソロ・アルバム「イレイザー2006年」を
生身のミュージシャンで再現するため
アトムス・フォー・ピースは結成された。
ベースはレッチリのフリー、
ドラムスはあのレニー・ワロンカーの息子
ジョーイ・ワロンカー、
パーカッションはブラジル出身のマウロ・レフォスコ、
プロデュースとプログラミングはナイジェル・ゴドリッチ。
バンドの中心はトムだけど
バンド全員均等にスポットライトが当たる
民主的なサウンド構成
それでいてジャムセッション的散漫さはない。
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3面見開きのLPジャケットにびっくり。
空から降り注ぐ火の玉
津波(または温暖化で海面上昇)
に飲み込まれ電柱に登り助けを求める人々
ツイン・タワーやシェル石油や
キャピトル・タワーやルーズベルト・ホテルが
次々と壊れていく様を21世紀のプロメテウスよろしく
ジャーナリスティックに描いている。
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大震災から10日後には
支援シングル「EGO&MIRROR」を発売したほど
日本へ強いシンパシー持つトム・ヨーク、
バンド名アトムス・フォー・ピース(原子力の平和利用)が
イギリス人っぽい皮肉なのは明らかだが
手塚治虫のアトムのダブルミーニングで
希望を投げかけるのも忘れない。
ATOMS FOR PEACE/AMOK (2LP+CD)
XL RECORDINGS : XLLP 583X (2013 UK)