TRACEY THORN/RECORD 赤盤が届きました

作る音楽が特別
ドラマチックな展開を
見せるわけでもなく
プロらしからぬ
音程の不安定さを隠そうともせず
そんなトレーシー・ソーン
なぜ今も特別な存在で
居られるのか?
その答えを見つけるには
トレーシー・ソーンの
どんなアルバムでもいいから
繰り返し10回聞いてみて
というしかない。

トレーシー・ソーンの
アルバムを初めて耳にした時って
とてつもなく物足りなさを
感じるはず。
でもその物足りなさは
トレーシー・ソーンの場合
このアルバムは
未来の名作ですよっていう
保証書みたいなもの。

はじめは物足りなくとも
20年後には名作の例を挙げると
ニール・ヤングの
「トゥナイト・ザ・ナイト」や
ポール・マッカートニーの
「マーカートニー」や
ジェイムス・テイラーの
「ワン・マン・ドッグ」
等々。

上記の先達が
たまたま物足りないアルバムを
「作ってしまった」のとは違い
トレーシー・ソーンは意識的。
物足りない位のアルバムのほうが
長い命を保つ音楽になることがある
その微妙なさじ加減を
操る術(すべ)を知っているのが
トレーシー・ソーン。

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TRACEY THORN/RECORD (LP)
UNMADE RECORD : ROAD 0011V (2018 EU)

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